Notes

メモ書き雑記ブログ(テニス・ガジェット・音楽活動など)

論文「硬式テニス男子シングルスの戦術に関する一考察」を読んでみた

早稲田大学2007年度の修士論文です。

 

テニスのゲームを取るために重要なカウント ~ ラリー初期段階におけるポイント取得について ~

 

ラリー初期段階でのポイント取得率は本当に高いのか?

ラリー初期段階ではどんなパターンでポイントが決まっているのか?

について研究した論文です。

 

分析方法

以下2大会のポイント取得までのラリー数とコースを分析。

  • 2006年 マスターズカップ 男子シングルス 15試合
  • 2007年 インカレ(4回戦以上) 男子シングルス 15試合

レベルに関わらず、ラリー数とポイント取得に相関があるかを見たかったため、トッププロと学生を分析対象としたそうです。
(ただ、インカレレベルには到底及ばない週末プレーヤーの自分に、この結果は使えるのかは疑問)

 

研究内容

研究内容は以下の2点。

1. ラリー数とポイント取得の相関

ラリー数とポイント取得は関係がある(ラリー初期段階の方がポイントが決まりやすいんじゃね?)という仮説を、データを集めて検証。

 

結果としては、相関あり。

ラリー3球目まで(サーブ、レシーブ、もう1球まで)にポイントが決まる確率が高かったとのことでした。

 

2. ラリー初期段階での有効なコース 

ラリー3球目まで(サーブ、レシーブ、もう1球まで)に着眼点を絞ってポイントを取得するために有効なコースを調査。

 

こちらの結果はざっくりこんな感じ。

・サーブ(1球目)は、ボディに比べてワイド・センターの方がポイント取得率が高い。

・リターン(2球目)は、サイドに関わらずストレートへの返球のポイント取得率が高い。

・3球目は、オープンコートへの返球のポイント取得率が高い。

 

つまりこんな感じ。

f:id:cask-st:20180706204710p:plain

 

基本的に相手のいないオープンコート側に打っていくため、ポイント取得率が高いのは納得ですね。

 

また、面白いなと思ったのが、デュースサイドのフォア順クロスのリターンミス率が他に比べて多かった点ですね。

比較的ミスしづらいショットだと思っていたのでこれは意外でした。

 

ではでは。