「勝てる!理系なテニス」をタイトルに釣られて読んでみた
勝てる! 理系なテニス 物理で証明! 9割の人が間違えている“常識"
- 作者: 田中信弥/松尾衛
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2018/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いいタイトルですね。(自分が理系なので笑)
物理学者の松尾衛氏と、テニスの元オリンピック&日本代表コーチの田中信弥氏の共著になります。
内容的には試合にあまり出た事がないような初中級者向けかなと思いますが、上級者の方でも参考になる部分はあると思います。
自分が参考になった点をまとめさせて頂きます。
ショット編
自分が現在ストローク改造中なので、ストローク中心になります。
いかに体を動かさないか、という観点
運動連鎖(※)は難しいので諦めましょう。
それよりもどこを動かさないで打つかを考えた方が、動きが単純になるので上達が早いとのこと。
田中氏レベル(日本プロテニスランキング最高位7位)でもいかに動かさないように打つかを意識していたそうです。本当に運動連鎖を使えるのは世界レベルなんだそうで。
確かに余計な部位をあまり動かさないようにすると、体の軸がブレないのでショットが安定するのは納得です。
※運動連鎖:言葉でちゃんと定義すると「ひとつの関節の動きが、隣接する次の関節によどみなくつながる」ことだそうです。足からのパワーを順番に連鎖させて、最終的にボールに伝える、っていうあれ
ストロークは「回転運動」が基本
ストロークは踏み込みではなく、体の回転でパワーを出すのが基本。
前への踏み込みはあくまで回転運動に力を上乗せするための補助的な動作です。というお話。
また、回転運動でラケットを振るため、ラケット面は円(曲線)起動だが、ボールを前に飛ばすためにはラケット面が後ろから前に行く必要があります。
このイメージのギャップを埋めるには、微分の考えを用いて、円軌道でもインパクトの瞬間は、後ろから前の直線であるとイメージすると良いそうです。
このあたりは完全に理系ですねー
こんなところで微分が出てくるとは!笑
プロネーション
フォアストロークの手首の動きは2つ。
威力を出すための「手招き」(たわみ振動)と、回転を掛けるための「手のひら返し」(ねじれ振動)。
ストロークのインパクト時はこの2つを両立させる必要がある、というお話。
ただし、この手首の動き(プロネーション)は意識して使おうとしない方が良いとのこと。
手首はバネであり、ニュートラルな状態に戻ろうとする性質があります。
その性質を理解して、スイングの中で自然にそのように動くように取り入れると良いとの事でした。
個人的にこれが一番使える技術でした。
自分は「手招き」(たわみ振動)しか使っておらず、回転が安定しなかったんですが、「手のひら返し」(ねじれ振動)を加える事で楽に回転が掛けられるようになりました。
インパクトは神の領域
理系なのに神とかいうなし!笑
と思わず突っ込んでしまったんですがそうゆうことではなく笑
よく「一度ガットでボールを掴んでからリリースする感覚が大事」みたいな話があると思います。
ストロークの場合、ボールがガットに当たってから飛び出すまでの時間は3〜7/1000秒。
この短い時間でボールを掴んでリリースするという感覚を感じ取るのは不可能で、もし感じ取れる場合はスイングスピードが遅過ぎるらしい。。(耳が痛い…。)
戦略編
ウィークエンドプレーヤーの苦手なコース
ウィークエンドプレーヤーは、アングルショット(ショートクロス)が苦手な傾向にあるため、センターまたはストレートに比重を置いて守った方が良いそうです。
打点の高さによって打ちづらいコースがある
低い打点をストレートに打つのは難しく、高い打点をクロスに打つのも難しい、だそうです。
練習編
「威力を出す練習」と「コートに入れる練習」は別で考える
まずはコートのバックネットに突き刺さるくらいの威力の球を修得し、その球をどうコートに収めるかを考えるのが良いとのこと。
やっぱり素振りは良い!
自分も素振りを練習に取り入れてるんですが、本書でも良いという記載がありました!
ボールを打っているとどうしてもボールに合わせてしまうため、理想のフォームで打てない事が多いです。むしろ相手はフォームを崩してミスさせるために色々な事をしてきます。
では理想のフォームをどこで固めるか、というと「素振り」です。
「素振りをかっこよく振れない者が、かっこいいフォームでボールを打つことはできない!」
と書いてありましたが、いい言葉です笑
量よりも質
「間違ったフォームでボールをたくさん打てば、間違ったフォームが身につきます」
これはかなり共感します。
スポーツは根性だけじゃうまくなりません。
しっかり頭を使って行きましょう!
ではでは!
勝てる! 理系なテニス 物理で証明! 9割の人が間違えている“常識"
- 作者: 田中信弥/松尾衛
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2018/04/09
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